寒地港湾技術等に関する調査研究
センター発足以来、寒冷地の立地条件に伴う問題意識に基づき、実績を上げてきた事業です。
《寒冷地港湾構造物の設計手法に関する調査研究》
氷海域における海岸・海洋構造物の設計に関する調査研究
冬期間、流氷に覆われる氷海域で建設される海洋構造物に関する設計手法を検討し、オホーツク海で整備された氷海展望塔など、氷海域での構造物の設計の知見を取りまとめ、氷海域における海岸・海洋構造物設計マニュアルとして発刊するとともに、氷海域の海洋構造物の劣化機構と対策に関する研究に取り組んでいます。
《防災・減災に関する調査研究》
津波漂流物対策施設
国土交通省港湾局は2005年2月に「今後の津波対策」として従来の防波堤、防潮堤などの対策に加えて、減災技術を取り入れた漂流物対策を津波対策の新しい柱として取り入れました。
これを受け、地震常襲地域にある釧路港を対象に、津波による港湾及びその背後都市部の被害低減手法の検討が行なわれ、2007年5月に釧路港入舟地区に津波スクリーン(通称クーたん)が竣工しました。その後、当センターでは有識者による委員会を開催し、(一財)沿岸技術研究センターと共同で津波漂流物対策施設の基本的な設計の考え方をガイドラインとして取りまとめて2009年に発刊し、現在その後の東日本大震災を踏まえた改訂版を準備しています。
《寒冷地の特異な自然・海象環境に伴う各種現象に関する調査研究》
流氷流入対策工(Ice Boom)
サロマ湖など、漁港に進入する流氷対策として整備された防氷施設です。流氷の進入による養殖施設や漁港港湾施設、船舶等を保護する役割を果たしています。